sakura

桜が咲く頃
私はいつも少しだけブルーになる。

私には姉がいて、すごくやさしくて人の面倒見がよくて
おもしろくて頭のいい人だった。
ただ身体にほんの少しだけハンディがあって
物事をとても深く考えてしまう人だ。

姉が亡くなったとき
家族はそれはもう打ちひしがれ
私はいまだにそれを直視できないところがある。
それは桜が咲く４月のはじめのこと。
あれからもう１０年たってしまった。

父が亡くなったのは姉を失って一年後。
姉がいなくなってすぐ具合が悪くなり、その後の一年はそれは大変な日々だった。
父の面倒を見ることが母の中心になり
姉の死を思う気持ちが少しは紛れたのだと思ってる。
今になってみると…
父は命がけで家族をまもったのだと。

でもゲームに勝ったものはいない。
家族がふたり、いなくなった。
それだけだ。

私は死んだことが許せなくて
どうしても許せなくて
許せない自分が許せなくて
姉の危機に気づかなかった自分も許せないでいる。
いつも心の奥底にずっとあって
何かの時に飛び出しては苦しい思いをする。
これはたぶん一生抱えて生きて行くんだと思う。

母の思いは…
わからない。
つらすぎて想像したくはない。

でも今私たちは生きていて
それがとてもありがたい。
いろんなことがあるけども生きているよ。
母が生きてることがとてもうれしい。
兄に(今頃になって)子供ができたのも。

人は誰かのために生きているものなんだろうか？
それはとても重荷なんじゃないだろうか。
自分のためにぜひ生きていって欲しいと思う。
そしてこの時期すごく感じるのは
花の咲くエネルギーみたいなもの。
桜を眺めてきれいだなあと思うことは幸せだと思う。
音楽で人を癒すことを信じている。
自分がそれの一部になることを願っています。